こころ 夏目漱石 (或(あ)る時はあまりKの~) (取扱:楽天ブックス)

【送料無料】こころ [ 夏目漱石 ]

【送料無料】こころ [ 夏目漱石 ]
価格:1,260円(税込、送料込)

■青空文庫から『こころ』を一部抜粋
 或(あ)る時はあまりKの様子が強くて高いので、私はかえって安心した事もあります。そうして自分の疑いを腹の中で後悔すると共に、同じ腹の中で、Kに詫(わ)びました。詫びながら自分が非常に下等な人間のように見えて、急に厭(いや)な心持になるのです。しかし少時(しばらく)すると、以前の疑いがまた逆戻りをして、強く打ち返して来ます。すべてが疑いから割り出されるのですから、すべてが私には不利益でした。容貌(ようぼう)もKの方が女に好かれるように見えました。性質も私のようにこせこせしていないところが、異性には気に入るだろうと思われました。どこか間(ま)が抜けていて、それでどこかに確(しっ)かりした男らしいところのある点も、私よりは優勢に見えました。学力(がくりき)になれば専門こそ違いますが、私は無論Kの敵でないと自覚していました。――すべて向うの好(い)いところだけがこう一度に眼先(めさき)へ散らつき出すと、ちょっと安心した私はすぐ元の不安に立ち返るのです。
 Kは落ち付かない私の様子を見て、厭(いや)ならひとまず東京へ帰ってもいいといったのですが、そういわれると、私は急に帰りたくなくなりました。実はKを東京へ帰したくなかったのかも知れません。二人は房州(ぼうしゅう)の鼻を廻(まわ)って向う側へ出ました。我々は暑い日に射(い)られながら、苦しい思いをして、上総(かずさ)のそこ一里(いちり)に騙(だま)されながら、うんうん歩きました。私にはそうして歩いている意味がまるで解(わか)らなかったくらいです。私は冗談(じょうだん)半分Kにそういいました。するとKは足があるから歩くのだと答えました。そうして暑くなると、海に入って行こうといって、どこでも構わず潮(しお)へ漬(つか)りました。その後(あと)をまた強い日で照り付けられるのですから、身体(からだ)が倦怠(だる)くてぐたぐたになりました。

■『こころ』などの著作権が切れている作品は青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)でも読むことができます。

  
  • RSS 個人 – Yahoo!ニュース

  • ブックマークサイト

    コスプレなどで赤カラコンを探している人にお勧めのサイト。
    ワンデーカラコン 赤 度あり
    ワンデータイプやマンスリータイプなど、いろいろな赤カラコンについて書かれています。

    脱毛サロンに行かずに自分で脱毛したい人にお勧めのサイトです。
    ミュゼプラチナム
    自宅で自分の都合のいい時にできる脱毛の方法が書かれています。